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横浜市南区の不動産会社栄都

賃貸人と賃借人の敷金関係

2012年3月4日 日曜日

賃貸人が賃貸目的物を第三者に譲渡し、賃貸人の地位がその新所有者に

移った場合、敷金関係は、新所有者に移り、賃借人は新所有者に対して

敷金の返還を請求することができるのでしょうか。

これは、賃貸人の地位が移転しても、敷金関係は新所

有者に受け継がれます。

したがって、賃借人は新所有者に対して敷金返還請求

権を行使することができます。

それと、もう一つ気を付けなければならない事は、

この賃貸人の移転の場合に、敷金関係が新賃貸人に

移転するというのは、賃貸借契約が継続している間の

話です。

賃貸借契約が終了し、明渡し前に賃貸目的物の譲渡

が行われた場合には、新旧所有者の合意のみでは、敷金に関する権利義務は、新所有者に承継されません

ので敷金返還請求権先については注意が必要です。

 

次に賃借人が賃借権を譲渡した場合に、敷金関係は新賃借人に移転するでしょうか。

この場合、賃借権の譲渡には賃貸人の承諾が必要ですが、先ほどとは逆に敷金関係は新賃借人に移転しません。

これは落ち着いて考えれば分かります。

Aが賃貸人、Bが賃借人、Cが賃借権の譲受人だとします。

BがAに差し入れた敷金が、Cに受け継がれるとすると、Bは他人のために担保を提供していることになります。

したがって、賃借権の譲渡の場合には、BからCへ敷金返還請求権を譲渡するなどの特別な事情がない限り、敷金関係は新賃借人に移転しません。

賃貸人の移転と賃借人の移転の敷金関係は違うので、気を付けて下さい。