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横浜市南区の不動産会社栄都

重要事項説明書の重箱の隅 ~建蔽率と容積率は参考上限値~

2013年9月30日 月曜日

ほとんどすべての住宅用地には建蔽率と容積率の規制に縛られていて、それを超えて建築物を建てようとすると、建築の許可が降りない…

つまり合法のものが建てられないということになります。

強引に建てようとすると、自治体から中止命令が降りて、建築途中で雨ざらしになり、使い物にならずしばらく放置…
ということになりかねません。

簡単に建てているようですが、この2つの「率」だけでなく他にもいろいろな規制があるので、それらをクリアしてやっと合法の家が建つのです。

ところが、誤解というか、初歩的なトラブルがよく起きるのがそのうちの「容積率」です。

不動産業者から渡された紙(販売図面)によると、容積率200%と書いてあるのに、
いざ契約となって重要事項説明を受けると、160%になっていたりします。

これでは、考えていた広さの家が建てられない!というトラブルにもなりかねません。
どうしてこういうことが起きてしまうのでしょうか?

実はその「容積率」、前面道路の広さによって制限されてしまうのです。

その土地が、○○住居専用地域とあれば、道の広さにある係数を掛けた数字、
それ以外なら違う係数を掛けた数字が容積率となります。

ですから、道幅がきれいな6.0mとか4.0mとかではなく、小数点以下があるようなところですと
当然、容積率も168%…みたいな半端な数字になります。

こういう理由から、重要事項説明書の建蔽率、容積率の欄に私はいつも「参考上限値」と書くようにしています。

一方、建築業者は、不動産業者が「容積率200%!」と言っても、「参考上限値」であることは百も承知ですので、あなたが工務店やハウスメーカーに設計の相談でもしていれば初期の段階でわかります。

建蔽率、容積率の数字だけ見て判断して安い物件に手を出したら、人の住めるものが建てられない・・・みたいなこともあるかも知れないので注意してください。

横浜スタジアムはどうしてああいう形?

2012年4月9日 月曜日

家を建てるのにとても重要なのが、その土地にどういう制限がかかっているか?ということ。

その中でも最も基本的なもののひとつが、建蔽率(けんぺい)と容積率。
最大でどれくらいの建物がその土地に建てられるかを制限したものです。

建蔽率40%、容積率80%のエリアですと、50坪の土地であれば、

1階は20坪 =50坪×40% まで可能で
容積率は最大で40坪 =50坪×80%となりますから、
1、2階合わせると、1階を20坪にしたら2階は残り20坪が最大…と計算できてしまいます。
実際は建蔽率、容積率の他、斜線制限、日影制限、外壁後退などが重なるので、そのままとはいかないこともあるし、
角地にある土地などには逆に制限が一部緩和されることもあるので注意してください。

建蔽率、容積率はなにも一般の住宅だけに限ったことではありません。
意外なところで制限に苦しんでいる建物があるとのことです。

それが、先日紹介した横浜DeNAベイスターズの本拠地
「横浜スタジアム」です。
横浜スタジアムのスタンドに行った方はきっと感じると思います。「狭い」って。

私は甲子園も東京ドームも神宮球場も福岡のヤフードームも行ったことがありますけど、
横スタは、特別狭く感じます。

これはひとえに建蔽率と容積率によるところ。あのようにすり鉢の形状をしているのも狭い土地にいかに多くの客席をとるか…ということを考えた末の設計だそうです。

狭いとホームランが沢山でてしまいますから、外野のフェンスを高くしています。(実際には野球場の国際規格というものがあって、それに沿ったものでしょうけど)外野のフェンスが高いあまりに、何年かに一度そこから観客が転落して大変なことになることがあります。

 

用途地域やこういった制限は、将来変わらないのかと言うとそうでもありませんが、頻繁に変わるものでもありません。

横浜スタジアムに屋根をつくる構想が、いつだったか前回優勝した時にもちあがりいつのまにか消えましたが、
そのあたりの規制を変えなきゃ出来ないのかも知れませんね。

ちなみに横浜スタジアムのある敷地は建蔽率80%、容積率700%です。