‘徳ちゃん’ カテゴリーのアーカイブ

横浜市南区の不動産会社栄都

不動産屋からみた、鎌倉の世界遺産落選

2013年5月2日 木曜日

富士山がYesで鎌倉はNo…4月30日夜中のニュース速報で流れていましたね。

私は鎌倉の住民ではありませんが、学校で6年、仕事で5年接していましたのでなじみもあるし好きなエリアです。
商店をやっている方や、投機目的の不動産を持っているかたは、このニュースに落胆されたことでしょう。
だって、登録されれば地価は必ず上がりますから。

例の地震で鎌倉の海沿いの地価は頭を押さえられてしまいました。
その鎖から解き放たれるきっかけになったことでしょう。

世界遺産に登録されることを見込んで出店したケースもあるでしょうが、
投資にはこうした「残念でした」はよくあること。50%の確率に敗れてしまったかた、残念でした。

鎌倉市は、その登録にむけていろいろな規制をつくりました。

ケンタッキーやセブンイレブンの看板の色さえ(地味に)変えさせてしったり、家々の外壁の色の範囲まで決められてしまう景観法がそのよくわかる例のひとつです。

世界遺産に登録されると…
観光客がとりあえず劇的に増える(その反動で劇的に減ることもある)
地域のインフラが整う
等のメリットがありますが、
一方で、
観光客の増加により景観が損なわれる
インフラが追いつかない
土地建物の制限が厳しくなり不動産活用に制限が出る
などのデメリットもあります。
それは、ただおとなしく住んでいる人と、鎌倉ブランドでビジネスをしている人とでは見方が180度違ってきます。

元々の住民は…これ以上の混雑は勘弁してほしい…と思うでしょうが、商店主はもっとお客を全国から呼び寄せたい!と思いますよね?

確かに、土日の鎌倉134号線沿いは身動きとれない混雑になるし、GWの江ノ電鎌倉駅では入場制限がされます。

不動産屋から見れば、そりゃ登録を支持したいところですが、個人的には…微妙です。

日本が登録を申請した中で最も低い評価の“不記載”扱いになったのは初めてだったんですか…
鎌倉はとんだ不名誉を授かってしまいました。
斜めからの見方ですが、世界の紛争を止められない国連や、ユネスコ?…ナンボのもんじゃい!とも思いますけどね。
ほとんどの国で国連は日本ほど“神聖化”されていません。

そんなに残念なら、
日本で独自に基準を決めて鎌倉を“登録”をしてはいかがでしょう?
その名も、UNESCOならぬ、JESCO…ジェスコ…ですか? ん?なんかどこかのスーパーみたい。

何もユネスコだけが定規ではないのですから。

ユネスコと関係ないですけど、東京オリンピックが叶うかどうかは…9月です。

耐震基準のこと その1

2013年5月1日 水曜日

横浜だけのことではありませんが、昭和56年5月以前に建築された木造住宅は自治体が耐震補強工事などの費用の一部を補助してもらえます。(要件はいろいろあります)

これは、横浜市の建築企画課 耐震担当 045-671-2943へお問合わせいただきたいのですが…それに先だって…。

先に書いた「昭和56年6月」は建築物にとって大きな区切りになります。

昭和56年6月1日以前のものは旧耐震基準によって建てられたもの。それ以降は現在の基準によって建てられたものなのです。

56年6月1日以降に建築確認を受けた建築物…というのが正確で、

建築確認証を受けても、完成までに数ヵ月~半年ほどかかるものもあるので、もし購入を検討している中古物件がこのあたりの築年月だったら、建築確認済証を調べてもらえたらいいですね。

 

ただ、旧耐震基準といっても1971年(昭和46年)に一度改正されたもので、全く耐震に対する配慮が無かった訳ではないので、一応念のため。

昭和56年6月を境にした新旧の違いは、こう要約することができます。

新基準では、地震による建物の倒壊を防ぐだけではなく、建物内の人間の安全を確保することに主眼がおかれた。
旧基準の震度5程度の地震に耐えうる住宅との規定は、
新基準では『震度6強以上の地震で倒れない住宅』と変わった。

さかのぼって耐震基準というものは、日本が世界にさきがけてなんと1924年(大正13年)なんですね。
さすがです。

次回は、無料耐震診断などのサービスのことについて書きます。

完成‼ドリームハウスで知った…こんなこともあるんだ~

2013年4月30日 火曜日

昨日、テレビ東京で“完成!ドリームハウス”を見ました。

2物件あって、ひとつは南足柄で斜面を利用した3階建て。もうひとつは、埼玉県桶川市の平屋。

どちらも施主のこだわりは“開放感”。
そうですよね、マンションに住めば、上下左右の隣の人は数十センチ先。
密集地の戸建なら、隣との距離は1メートルあれば御の字みたいな…。

“開放”を求める気持ちもわかります。

今日書きたいのは、桶川の方。

基礎を作る前の地盤補強工事の場面。

重機のドリルで掘って行くと出るわ出るわ、泥水が。
染み出てくる程度ではなく、ドボドボなんです。

工事業者も“これほど悪いとは・・・”と驚いていましたが、それを以前にも紹介した地盤補強工事のひとつ、
砕石を流し込み、RC杭に代えるという工法で改良していました。

砕石工法でもちゃんと強度も出るとのことですが、実際にやっているところを初めて見ました。

ただ、そこの地盤は、6m下がほとんど水なんですよ。
そんなところで大丈夫なのでしょうか?

上に乗る建物は平屋と言っても、ほぼRCと鉄骨造。
木造に比べ結構な重さになります。

後に調べましたが、桶川のあたりの地盤はズブズブみたいですね。
きっと江戸時代までは、沼地に葦が生い茂っていたか、田んぼだったところでしょう。

以前、同じ埼玉県の鳩ケ谷というところに行った時も驚きました。
地盤面と川面がほぼ一緒!

ちょっと雨が降ったらすぐ洪水になりそうでした。

その鳩ケ谷も川口もこの桶川も同じ荒川河川沿いの軟弱地盤のエリアです。

先の大地震でこの周辺でも液状化現象が起き、傾いている家が多いとのことです。
住民は造成をした市を相手に訴えを起こしているそうですが、
市も、そんな大地震は想定していなかったでしょう。地盤補強にはキリがないですからね。

ということで、液状化が起きそうなところは、もちろんその造成のしかたにもよりますが、
元々どいう土地だったのか?あるいは、最近は自治体やそのHPなどでボーリングデータを閲覧することができたりしますから不安な方は参考にされたらどうでしょう。

先日、当社が港南区で造成をした現場は逆に、重機のシャベルが入って行かないほどの硬さでした。
やっぱりこういう地盤の上に家ってあってほしいと思うのでした。