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横浜市南区の不動産会社栄都

意思表示の違いによる契約の有効性とは・・・

2012年6月18日 月曜日

契約自由の原則は、意思表示を一人で十分になしうる成人が、

本心から意思表示をすることを前提にして成り立っています。

民法は、瑕疵(=傷)のある意思表示として、

①冗談で意思表示をした場合を心裡留保(民法93条)

②実態と異なる虚偽の意思表示をした場合を虚偽表示(民法94条)

③勘違いして意思表示をした場合を錯誤(民法95条)

④意思表示が詐欺や強迫による場合(96条)

を定めています。

そして、このような意思表示は無効または取消可能となります。

心裡留保

真意ではない意思表示をすること。 原則:有効相手が知っていたか、知らないことに過失があった場合には無効。

虚偽表示

お互いに本気でない意思表示をして、契約の形式だけを作ること。 無効ただし、その事情を知らない第三者は保護される。

錯誤

重大な要素について勘違いしたまま意思表示をしてしまうこと。 原則:無効ただし、重大な過失があった場合には無効を主張できない。

詐欺

だまされて意思表示をすること。 取り消すことができる。ただし、善意の第三者には対抗できない。

強迫

脅されて意思表示をすること。 取り消すことができる。善意の第三者にも対抗できる。

◇例えば…

心裡留保とは、売る気がないのに「土地500坪を1000円で売るよ」と言った場合です。

こう言われた相手方が真意でないことを知り(悪意)、または知ることができた場合には(過失)、

その意思表示は無効となります。

勿論、相手方が過失のない場合は、有効に契約は成立します。

錯誤とは、勘違いをして意思表示をすること。

本当は時計を1万$で売るつもりが、勘違いして1万円で売ると言った場合など…。

法律行為の要素に錯誤があった場合には、意思表示は無効となります。

しかし、錯誤をした人に重過失があった場合には無効を主張できません。

金額的に安価なものの取引であれば、さほど重大な問題にはならない事が

多いかも知れませんが、不動産売買の場合だと高額取引になるので中には

裁判沙汰になる事もあるのではないかと思います。

不動産に携わる者として、そうならない為にも発言(意思表示)に対する責任の

重要性を自覚しなければと思います。

偽装の源泉徴収票で住宅ローン審査を受けた結果・・・

2012年6月4日 月曜日

良くある事ですが、ご主人の年収だけでは希望ローン額に届かないと言うことで

奥様の収入を合算してローン審査を受けるケースがあります。

下記のケースでは、合算収入や借入れには問題が無かったにもかかわらず審査が

通らなかった事例です。

 

 

 

 

 

 

 

 

上記の源泉徴収票・・・何が問題だったのか?

詐欺になりますので、これは絶対にやってはいけない事ですが、この源泉徴収票は、

住宅ローンを通す為に作られた偽者の源泉徴収票であることが見破られているから

ということでした。

上記の源泉徴収票のどこから偽装と判明したかと言うと、夫婦はそれぞれ全く別の

会社に勤務しているのに、源泉徴収票の字体や文字の配列が全く同じ源泉徴収票で、

会社名と住所の記載だけが違うというものだったからだそうです。

これは、源泉徴収票はそれぞれの会社によって作成するものなので、このように全く

同じの源泉徴収票が全く違う会社から出るという事はまず考えにくいと言うことです。

万が一あったとしても、銀行は疑わしき案件は排除するという観念がありますので、

この源泉徴収票を持ち込んだ業者さんは、後日銀行から総合的判断で否決です

という事になったらしいです。

こんな偽装で審査が通ると思ったお客がいるのかと思いましたが、それを持ち込んだ

業者は偽装の源泉徴収票を見ても何の疑いもなく銀行へ提出したということになります。

万が一、偽の源泉徴収票を受け取っても一般の方は、源泉徴収票を見る機会は

年に一回が普通と思いますので違いなど理解できないのが当たり前かと思いますが・・・

しかし、仲介業者の方であればお客さまの源泉徴収票を見る機会が多々あるかと

思いますので、果たして偽装を見破ることは出来るのでしょうか・・・

勿論、最終的には銀行側で判断されればいい事なのですが・・・

この事例は、詐欺罪に当たりますので絶対に真似しない様に!