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横浜市南区の不動産会社栄都

自治体ごとに異なる、高度地区制限とは・・・

2012年5月26日 土曜日

都市計画法に基づく「地域地区」のひとつに「高度地区」があり、建物の高さに関する制限(最高限度または

最低限度)を規定しています。

一方、建築基準法では建物の高さについて、第一種・第二種低層住居専用地域内の高さの制限、道路斜線

制限、隣地斜線制限、北側斜線制限、日影による中高層建築物の高さの制限が規定されています。

建築基準法による建物の高さの制限と「高度地区」による制限とは、どのように違うのでしょうか。

高度地区の制限内容は自治体によって違います。

 

 

 

 

 

 

高度地区について都市計画法では、「高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、または

土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度または最低限度を定める地区とする」(第9条17項)

と定義され、また、建築基準法では「高度地区内においては、建築物の高さは、高度地区に関する都市計画

において定められた内容に適合するものでなければならない」(第58条)とされているだけであり、具体的な

制限内容は法に定められていません。

建築基準法による斜線制限などが全国共通の規定であるのに対して、高度地区の制限内容は(それを導入

するかどうかも含めて)自治体ごとに異なっているのです。

◇最高限度高度地区の高さ制限とは…

最高限度高度地区は市街地環境の維持を目的として定められるもので、主に北側隣地の日照保護や通風

の確保などを考慮した「斜線型高さ制限」と、建物の高さ全体を一定限度以下に抑えるための「絶対高さ

制限」とに大別されます。

◇最低限度高度地区の制限とは…

上記の最高限度高度地区の制限とは逆に、土地利用の増進を目的として建物の最低限度の高さが指定さ

れる場合があります。

最低限度の高さよりも低い建物は建てることができず、決められた高さ以上の建物を(容積率など他の制限

の範囲内で)建てなければなりません。

ちなみに神奈川県の場合は…

神奈川県では横浜市、川崎市をはじめ、6市2町で高度地区の制限が導入されていますが、その内容はすべ

て異なっています。

横浜市では、斜線型高さ制限と絶対高さ制限とを組み合わせた第1種~第5種高度地区、絶対高さ制限のみ

による第6・第7高度地区の合計7類が規定されています。

建設反対!・・・・・・・?

2012年1月22日 日曜日

以前、隣に「ヘンな人」が住まないか心配…という話を書きましたが、
こんなこともあって考えさせられました。

そこは風光明媚なロケーションとして有名な地域ですが、そこに大手デベロッパーがマンションを建てる計画があるというです。

するとしばらくして、周辺の住宅に
「○○不動産は緑を壊すな」
「住民の意思を無視したマンション建設断固反対!」
などいろいろ…それだけで結構景観を壊しているのですが…

また、建築基準法をクリアしていれば、基本的に建築はスタートできるという話もしましたが、
その通りでじきに建ってしまうでしょう。

でも待って下さい。

建設反対!という板を掲示している家があるところも昔は…ていうこと…ないですか?

生物界では、トキが絶滅危惧種だの…いろいろありますが、
いつを基準にしているのでしょうね?

すでに絶滅している種は数知れずあるはずで、絶滅しているものもあれば交配で新しい種も生まれてきています。

絶滅していくのも世の常のような気がします。

せっかくお金をかけてトキを保護して、イタチに食べられてしまっては…そんなこともありましたね。

反対するのは結構なことだと思います。たまに、悪徳業者が強引に違法建築を建てますから。
工事が始まってから、建物が完成してしまってからでは遅いこともあります。

反対する前に自身の胸に手を当てて考えてみましょう。
それでもやっぱり反対なら、止めません。反対しましょう!

住民説明会に日本の縮図を見る

2012年1月22日 日曜日

ある一定規模以上の建物を建築する際、事業者は周辺住民に対して住民説明会を開く義務が出てきます。

建築を始めるために、役所から「Go」サインをもらうのに、その議事録が無いとだめなこともありますから。

イメージ写真

以前勤めていた建築会社での話。
計画中のマンションを建てるのに、計4回説明会を行いました。当初は2回の予定でしたが。

初回は、怒号が飛び交いました。
「ここは昔から夏はカギを締めなくても暮らせる地域だった」
「山からの風がゆっくり降りてきて、夏でもエアコンなしで暮せる地域だ」
「プロパンガスの設置は絶対に許さない」
「エアコンの室外機からの熱風がウチに向かないようにしてくれ」
「上から我が家が覗かれるから、建築反対」
「上から覗かれるのは許せないから、総スリガラスにしろ…それに開かないようにしろ」
「この地域は誰がどこに住んでいるのかすぐわかるような所。賃貸住宅にはどんな人が住むかわからないから怖い」
「住民が犯罪を犯したらどう責任取るのか?」
「ゴミの不始末があったら厳しく対応するぞ」
「市役所に親しい人がいるから計画を潰してやる」

まあ、それはそれはすごい勢いでした。

この中で4回目の会合まで残った課題は、

イメージ写真

・窓の位置、ガラスの仕様
・プロパンガスの設置
・エアコンの室外機の置き場
だったでしょうか。

エアコンの室外機の向きについては、
それぞれ「自分の家に向かって吹くこと」は許さないものの、その風向が隣の家に向けばもう文句を言いません。

それに、部屋の窓を全部はめ殺しのスリガラスにしろ…とは。
よく言えるなあ~と驚いたものです。

周辺住民の方々にとって、建築阻止のためにはなんでも言う、ということなのでしょう。

建築が始まると反対運動は急に終息しましたが、
住民の意見をすべて満足することはできなかったものの、建物は完成しました。

その後、内覧会を周辺住民に対して行いましたが、散々ケチを付けられました。
最後の抵抗…ですね。

前にも触れましたが、建築基準法をクリアして建築確認を取得していれば、
事業者は…問題なく建てられるのです。

敵対関係にならずに、お互い理解できないものなのでしょうか。