横浜市南区の不動産会社栄都

住民説明会に日本の縮図を見る

ある一定規模以上の建物を建築する際、事業者は周辺住民に対して住民説明会を開く義務が出てきます。

建築を始めるために、役所から「Go」サインをもらうのに、その議事録が無いとだめなこともありますから。

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以前勤めていた建築会社での話。
計画中のマンションを建てるのに、計4回説明会を行いました。当初は2回の予定でしたが。

初回は、怒号が飛び交いました。
「ここは昔から夏はカギを締めなくても暮らせる地域だった」
「山からの風がゆっくり降りてきて、夏でもエアコンなしで暮せる地域だ」
「プロパンガスの設置は絶対に許さない」
「エアコンの室外機からの熱風がウチに向かないようにしてくれ」
「上から我が家が覗かれるから、建築反対」
「上から覗かれるのは許せないから、総スリガラスにしろ…それに開かないようにしろ」
「この地域は誰がどこに住んでいるのかすぐわかるような所。賃貸住宅にはどんな人が住むかわからないから怖い」
「住民が犯罪を犯したらどう責任取るのか?」
「ゴミの不始末があったら厳しく対応するぞ」
「市役所に親しい人がいるから計画を潰してやる」

まあ、それはそれはすごい勢いでした。

この中で4回目の会合まで残った課題は、

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・窓の位置、ガラスの仕様
・プロパンガスの設置
・エアコンの室外機の置き場
だったでしょうか。

エアコンの室外機の向きについては、
それぞれ「自分の家に向かって吹くこと」は許さないものの、その風向が隣の家に向けばもう文句を言いません。

それに、部屋の窓を全部はめ殺しのスリガラスにしろ…とは。
よく言えるなあ~と驚いたものです。

周辺住民の方々にとって、建築阻止のためにはなんでも言う、ということなのでしょう。

建築が始まると反対運動は急に終息しましたが、
住民の意見をすべて満足することはできなかったものの、建物は完成しました。

その後、内覧会を周辺住民に対して行いましたが、散々ケチを付けられました。
最後の抵抗…ですね。

前にも触れましたが、建築基準法をクリアして建築確認を取得していれば、
事業者は…問題なく建てられるのです。

敵対関係にならずに、お互い理解できないものなのでしょうか。

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